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歴史の旅情をたずねる。
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ホテルにて、人と心にふれる。

歴史の旅情をたずねる。

今、ファッションや車、建築の世界まで、クラシックな雰囲気を取り入れることが流行しています。先に進みすぎた時代に少し疲れて、懐かしいもの、落ち着けるものへのあこがれがこの流行を生んでいるのかもしれません。でも、クラシカルな雰囲気をまとったこれらのものたちが、単に雰囲気だけに終わっていることにお気づきでしょうか。

ホテルニューグランドの本館に足を踏み入れた瞬間、歴史を経たものだけが持つ特別な空気を感ぜずにはいられません。開業当時、イタリアから取り寄せられたというタイルを敷き詰めた大階段を上り、ロビーへ。東洋的な太いマホガニーの柱に圧倒されながら右手へ進めば、どれだけの賓客が腰を休めたであろう古い椅子が。音を立てて開く分厚い木製の扉は、昭和初期のモダニズムをそのまま残すレインボーボールルームへ続きます。

これら歴史の痕跡の豊富なホテル・ニューグランドですが、博物館と化しているわけでは決してありません。マッカーサー元帥、作家の大佛次郎らが利用した客室が今なお利用できることを始めとして、すべてが現代にも通用するクオリティを保っているのです。

ホテルニューグランドへ訪れた際には、ぜひ柱や、階段の手すりや、古い椅子たちに手を触れて見てください。そこに刻まれた細かな傷の一つ一つが、本物の証、決して時代に媚びないクラシックホテルの神髄を、その手触りとして伝えてくれるでしょう。

あるいは、あなた自身が歴史の一部分を作っているのかもしれません。

本館入り口階段

Sweet Column椅子の天使 70歳の天使。 本館ロビーは高い天井や雰囲気のある採光が、ホテルニューグランドのなかでもなおさらゆったりとした時の流れを感じさせる場所ですが、ここにも一つ隠れた名品があります。 太いマホガニーの柱を背に、数脚置かれている古い椅子。いかにも年代物の彼等はやはり創業当時からのもの。さすがに座面等は数回張り替えられていますが、彫りの深いその姿は風格十分です。 さて、実はこの椅子の肘かけに天使が棲んでいるのです...もちろん彫刻ですが、70年間数え切れないほどのお客様に接したために、角が取れ、艶良くひかるその表情に、思わず見入ってしまいます。もしお時間があるなら、逢いにいってあげてください。