
ホテルニューグランドには私自身、とても思い入れがあります。人生の節目節目に貴重な思い出もあります。
そのせいでしょうか。集まった応募作を拝読しながら、不思議な既視感にかられました。応募者ひとりひとりと、ある時はロビーで、
ある時はレストランで、またある時は廊下で、たしかにすれ違っているような気分になったのです。
ひとつのホテルが、そこでの短いひとときが、あとの人生を魔法のように変えてくれることがあります。応募作にはそうした「魔法の時間」が溢れていました。
どうしよう、どれを選ばせていただこう、と嬉しく迷っていたあの時間も、私にとってはまさにそんなひととき。
至福の時間を、応募してくださった皆さまと共有させていただきました。心から感謝いたします。
山崎 洋子
京都府宮津市生れ
横浜市在住 コピーライター、児童読物作家、脚本家を経て小説家に。
1986年「花園の迷宮」(講談社)で第32回江戸川乱歩賞を受賞。
小説、エッセイ、ノンフィクションなど多数。舞台の脚本、演出も手掛ける。
横浜市開港150周年イベントでは市民参加プラットフォーム推進委員会委員長を務める。
2010年度NHK地域放送文化賞受賞。最新刊「横濱 唐人お吉異聞」(講談社)